« 障害+者 | トップページ | 手話パフォーマンス »

2006/05/06

8……

[厄除八幡]手話では5を超える数も片手で表すことができる(参考画像)。日本の手話の場合,伸ばした親指で「5」を表し,それに人差し指を加えて「6」,さらに中指も伸ばせば「7」になる。これは算盤の数の置き方に似ている。
すると「8」は,小指だけを曲げて残りの指を伸ばす形になるわけだが,これが案外(とっさには)うまく出来ない,苦手だという人もいると思う。

そこで,小指の代わりに他の一指(もちろん親指は除く)を曲げて表してもかまわない,と教えられる場合もある。私も最初のころは人差し指を曲げることが多かった。木村晴美さんが言うところの「代用品の〈8〉」だ。
木村さんは「手話を母語とする話者の間(ろう者やコーダ)で使われているのを見たことがない」と書いておられるが,たまに若いろう者の中にはこの形の「8」を使う人もいるらしい(Kが職リハで出会ったそうだ)。

しかし,やはり「8」は小指を曲げた形で表すように努めて欲しいと,応用クラスの最初の授業でY講師に言われた。「代用品の〈8〉」は相手を不快な気持ちにさせることもあるからだと。
かつてろう者が就くことが多かった仕事に印刷工場での作業やプレス工などがあり,中には現場で指を切断してしまう労災に遭う人も少なくなかったそうだ。そうして指を失った人から見ると,五指が揃っているのに,わざわざ人差し指を折り曲げたりされると気持ちの良いものではないだろう。
Y講師(聴者)も以前は「代用品の〈8〉」を使っていた時期があったけれど,ある時ろう者から指摘を受けてそれに気付き,小指を曲げた形が出来るように練習したと言う。

とくに通訳をするような場合,情報の伝達が目的なのに,それに伴う手話表現の一部で相手を悲しませるようなことがあっては伝わるものも伝わらない。そんなことにならないよう表現に気を配り,努力することが大切だというY講師の話を,これからも忘れないようにしたい。

|

« 障害+者 | トップページ | 手話パフォーマンス »

コメント

ちなみに「参考画像」に併載したアメリカ手話の数字は“Mini Pics ASL Alphabet”というフォント。私は自分の名前のローマ字表記をこのフォントで名刺に刷ってもいます。
http://www.identifont.com/show?8EW

$42 で販売されていますが,以前は Adobe 製品の付録になっていたこともあり,たしか Illustrator 5J あたりの CD-ROM には納められていました。

投稿: rinsho | 2006/05/06 09:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10582/9920045

この記事へのトラックバック一覧です: 8……:

« 障害+者 | トップページ | 手話パフォーマンス »