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2005/02/22

青山ブックセンターで

[トークショーの様子]先日行われたシンメトリー倶楽部の(というか『ジョン・シンメトリー』の)イベント『ロン!シンメトリー』は,ほぼ満席となる盛況ぶりだった。
そこでは寺田克也さんに呼ばれた“市井のシンメトラー”の一人として,私もシンメトリー写真をスライドショーで見てもらいながら話をした。実際にしゃべった内容は少し違ってしまったけれど,用意していった原稿は次のようなもの。

シンメトリー写真を作り始めたのは、
実は「シンメトリー倶楽部」に入部したい!というのが動機です。
 それ以前にも寺田さんのサイトを見ていて、線対称の画像が面白いなといつも感動してはいたのですが、真似してやってみても真似は真似でしかないし、ましてそれを人に見てもらう機会もないし……と思っていました。
 それが「シンメトリー倶楽部」という名前で呼びかけられたら、そうか「部活」か! それなら真似でもなんでも良いからやってみたい、という気持ちになって、むかし撮った写真をひっぱりだして、つぎつぎシンメトリーにしてみました。するとそれがどんどん楽しくなってきて。
 いくつか自分では面白いと思えるものが出来たので、その勢いでウェブサイトにも載せて、メールで友だちに知らせてむりやり見せたり、とか。その後もたまに更新しています。
 同じように「部活」を始めた人たちのサイトも探して見て回ったりして、それもまた刺激になっています。「部活」と言っても、先輩にしごかれたり、合宿をしたりすることもないわけですが、それでも「シンメトリー倶楽部」と名付けられて、ウルトラ会長スペシャル会長(本当は「部長」と呼んだほうがいいのかも?)がいたりすることが、私の場合、続けているうえで案外大きいかもしれません。

シンメトリーの素材にする写真は、
やはりデジカメで撮ったものが多いですね。最初の頃はネガフィルムで撮っていた古い写真などもスキャンして使っていました。でもそれだと手間がかかりすぎて続かない。仕事ならともかく、あくまで遊びですから手軽にできないと。いや、遊びだからこそ本気でやるんだという考え方もありますけど。それに最近ではフィルムで撮った場合も、現像のついでに CD に焼いてくれるサービスもありますから、そうやっておけば素材にするのも楽ですよね。
[シンメトリー写真] それにしても、フィルム代や現像代が要らないデジタルカメラだからこそ、むやみにたくさんの写真が撮れて、費用だけでなく手間いらずなので、結果的にシンメトリーの素材も増えるわけです。
 もっとも、デジカメと言っても、私が最初に使っていたのはアップルの QuickTake という30万画素くらいのやつで(640×480ピクセル)、もう10年前になりますが、内蔵メモリに16枚しか撮れなかった。PowerBook を持ち歩いていれば、それに転送して、メモリは消去して……ということも出来ましたが、いつもそうするわけにはいかなかったし。画質だって最近の携帯電話のカメラのほうがずっと良いくらいです。それでもデジタル写真の楽しさというのは十分味わうことが出来て、QuickTake で撮った写真は2千枚くらい残っています。これもその頃撮ったものです。
 そんなふうにして今に至るわけですが、シンメトリー写真を作り始めてから、よけいにたくさん撮るようになったという傾向はありますね。ちょっと妙な欲が出るというか、以前には撮らなかったようなモノも撮ってみたりして。でも、みなさんも言われていることですが、素材にしようと狙って撮っても、あまり面白いものにならないことのほうが多いですね。
 旅行に行ったときなどには、まとめてパチパチ撮ってくるので、素材としても、やはりそういう時の写真が多くなります。ただ、いかにも観光写真みたいなのは、もともとの被写体の珍しさに気を取られてしまいがちで、シンメトリーとしての面白さが伝わりづらいかもしれません。いえ、自分では面白いんですが。

シンメトリー写真の面白さは、
自分で作る場合には、思いもよらないものがいきなり出来た瞬間の驚きというのが一番ですね。自分では元の写真全体は分かっているわけですが、その印象とまったく違った光景が目の前に現れる驚き。元の写真が平凡であればあるほど、そのギャップが面白い。
 他の人の作品を見る場合には、もっと純粋にシンメトリーの面白さが感じられると思います。同時に、元の写真はどんなだっただろうと想像してみる楽しみも、そこにはある気がしますが、それは想像にとどめておいたほうが良いのかもしれませんね。
 水平(左右)方向のシンメトリーだと、非常に安定した絵になるのに、天地(上下)をシンメトリーにすると、ちょっと眩暈がするような、不安な気持ちになることが多いのも、面白いと思うし不思議な感じです。
 さらに言うと、いわゆる「浮游物件」に出会った時には、その不思議な感覚の極致が味わえますね。むかし手塚治虫さんの『鉄腕アトム』の後期の話(ミーバの巻)に、四次元の生物が三次元空間に現れるとき、その姿がいつも変化する不定形のものとして描かれていたのを思い出します。あんな感じ。
 シンメトリー写真は「いちばん単純な特撮である」という寺田さんの言葉は、いろいろ深い意味を含んでいると思いますが、とくに「浮游物件」を見ては、なるほどと感じ入っています。自分ではこれがなかなかうまく出来ないので、他の方たちの作品を見て楽しんでいます。

以上のように日ごろ漠然と思っていたことが,トークショーでは,もっと深く掘り下げて「論」じられていたり,また会場で幾人かのシンメトリー作者とも新しく出会うことができたりして,なかなか楽しい部活の日曜日だった。

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コメント

あ!
き、昨日だったんだぁ、忘れちゃってた(T_T)

投稿: HAL_ | 2005/02/22 07:04

りんしょさん、コメントが遅れましたが、イベントお疲れさまでした。
シンメトリー写真って面白いですね。郵便ポストや異国の風景など、斬新だなあと思って拝見しました。^^

投稿: なー | 2005/02/23 17:10

なーさん、ありがとうございます。
他の部員(ウルトラ会長を含む)のサイトのいくつかは、このブログにもリンクを置いています。
また、イベントでも披露されたワタナベアニさんのインパクトあるシンメトリー写真は、http://www.lares.dti.ne.jp/%7Eani64/ で見られます。

でも、シンメトリー写真は自分でやってみるのが一番楽しいと思いますよー。

投稿: rinsho | 2005/02/23 21:35

memo:
ワタナベアニさんのシンメトリー写真は,下記サイト“Photo(Fotografia)”の中で見られます。
http://www.ninjafilms.tv/ani/

また,NY から音声ファイルで参加していた,かえるさんこと細馬宏通さんの作品とお話は下記に。
http://ux01.so-net.ne.jp/%7Eev-net/
http://homepage.mac.com/carte/numa/ron_sym.html

投稿: rinsho | 2005/02/27 15:00

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